日本に Low Cost Alternative Program を導入したらどうなるか?〜 アレンドロン酸錠の例で考えてみる〜

 

私が日本の調剤薬局で働いているときにずっと気になっていることがありました。

新しく『ボナロンゼリー』が新薬として認められた際、これまで『アレンドロン酸の後発品』を服用していた患者が次々と『ボナロンゼリー』に切り替わっていったのです。

もちろん、薬剤師として嚥下障害がないかなどアドヒアランスの有無を確認しましたが、特に『ボナロンゼリー』に変える必要性は見受けられませんでした。

なぜこのような事が起こってしまっているのか。

カナダでは起こっていないのだろうか。

今回は、この疑問に答えるため、カナダの  Low Cost Alternative Programについて書きます。

目次

1) Low Cost Alternative Programとは何か?

2) 日本に導入したら、どれだけ医療費を抑えられるか? (アレンドロン酸の1例で考える)

 

Low Cost Alternative Programとは

同成分で最も安価な薬剤の使用を推進させるための考え方です。

日本と同じようにカナダでも、患者が先発品または後発品を自由に選べるのは同じです。しかし、先発品後発品を含め、最も安価な薬剤との差額分を患者が負担する必要があります。

詳細はこちらのファーマトリビューン誌さまのweb記事も参照にしてください。

最も安価な後発品Aの500円が保険で支払われる。
それを越える額は全額患者負担になるので、どの薬剤を患者が選んでも国の負担額は変わらない

 

日本に、Low Cost Alternative Program を導入したらどうなるか?

①まずは、アレンドロン酸錠35mgが週1回服用で1か月分処方された場合を想定

(各国の技術料などは考慮せず、単純に薬価のみを考慮。)

②薬価は日本の薬価を使用することとする

  • アレンドロン酸錠35mg(後発品A社): 200円/錠
  • アレンドロン酸錠35mg(後発品B社): 270円/錠
  • ボナロン錠35mg: 530円/錠
  • ボナロンゼリー35mg: 1040円/包

 

日本の保険調剤システム の場合 (原則3割負担)

原則患者が3割負担とするとして計算しました。

最も高価なボナロンゼリーと、最も安価なA社のアレンドロン酸錠との自己負担額の差は1008円です。つまり、患者が1008円を余分に負担することで、ボナロンゼリーに切り替えることができるのです。

その一方で、保険適応額 (国の負担割合)は、2912円と高額になっています。

 

カナダの保険調剤システムの場合 ( Low Cost Alternative Program)

 

一方でカナダのLow Cost Alternative Programの元では、保険適応額は800円と常に同額です。最も高価なボナロンゼリーと、最も安価なA社のアレンドロン酸錠との自己負担額の差は3360円と高価になっています。

 

まとめ

日本でもカナダでも同様に薬剤の選択は自由に可能ですが、その選択に伴い患者の負担額の割合が大きく変わってきます。

カナダでは、わざわざ高価なブランドを選ぶ人は少数であり、多くの人がジェネリック薬品を選ぶようなシステムになっているのです。

 

 

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