カナダ薬剤師情報

カナダで薬剤師になるための将来プランをざっくり作る

カナダの薬剤師に必要なことは少しわかってきたけど、実際にどのように自分の将来設計に落とし込んでいくかで困っていませんか。

自分の将来イメージを作るために、ざっくりとした将来プランを立てることは非常に有効です。

僕自身も、カナダ薬剤師を目指す前に、簡単な将来プランを立てましたし、これまでコンサルした方にも同じようにオススメしています。

結果として、将来プランを立てたことで、自分の今やるべきことがはっきりとし、カナダ薬剤師への第一歩を踏み出してもらうことができました。

そこで今回は、「カナダ薬剤師になるためのざっくりとした将来プランを立てる方法」について詳しく解説します。

先に、今日の結論です。

結論
  • 将来プランは、「薬剤師免許の取得」「ワークパーミットの取得」の2つを考えて練る
  • 推奨プランは、2年制カレッジ入学を視野にいれたプランで、「4年」と「310-470万円」程度かかる
  • 推奨プランを元に、自分の状況にあわせた将来プランを立てる

それでは詳しくお話していきます。

2つの条件をもとに将来プランを考える

前の記事で、カナダ薬剤師になるための2つの条件は、「薬剤師免許を取得すること」「ワークビザを取ること」だとお話しました。

将来プランを立てる上では、この2つを同時に進めていく必要があります。

まず最初にですが、この2つがどのくらいの「時間」「費用」がかかるのかを一般的にお話していきます。

薬剤師免許にかかる「費用」と「時間」

「16,317ドル」と「16.5か月」

費用

Gateway Canadaというwebsiteによると、がかかるという記載があります。(2022.1.19 調べ)


この概算は、BC州で薬剤師になる場合であり、国家試験や学校に行くプログラムの費用が含まれています。この費用の多く(10,250ドル)がプログラム費用です。
したがって、他の州(ニューブランズウィックなど) はプログラムが免除されるため、費用全体が6490ドルに抑えることが可能です。

とはいえ、試験にすべて一発で合格することはかなり難しいので、実際の費用はもう少しかかると思います。

プログラムに行く方は20,000ドル、行かない方は10,000ドルくらいを目安に考えておくといいと思います。

時間

かかる年月は「16.5か月」とありますが、これは最短で取得した場合です。
私の周りの日本人で薬剤師免許を取得した人は、平均して4年はかかっていると思います。

理由としては、試験準備のためにテスト受験を遅らせたり、テストに合格できずに再受験したりすることがあるからです。

Shimpei
Shimpei

カナダの政府や機関は、基本的にゆっくりしているから、それで遅れることもよくあるよ。

ワークビザにかかる「費用」と「時間」

一概にいえない

えー、どういうこと?

Shimpei
Shimpei

ワークビザを取る方法は人によって異なるので、

それによって費用と時間が全く異なってくるんだ。

ワークビザの取得方法にはいくつかあります。

このブログで推奨している方法は、2年制カレッジに通った後に発行されるポスグラビザです。この方法だと、約250-300万の費用とカレッジ卒業に2年はかかります。

わざわざお金を出してカレッジに2年通うのは、遠回りで時間が余計にかかる気がするんだけど。。。

Shimpei
Shimpei

短期的に見るとそうだけど、カレッジにいる間に英語力は向上するし、薬剤師免許のプロセスもガンガン進められるから、確実だし早いと思うよ。

ワークパーミットを短期的に得る方法としては、ワーホリを使用する方法もあります。申請にかかる費用は2万円ほど、時間は数ヶ月くらいで取得できます。

ワーホリは、一部の条件を満たした人にしか使えませんが、費用と時間には優れた方法ではあります。

Shimpeiが推奨するモデルプラン

ここでは、上の条件をもとに1つのモデルプランを推奨します。

  1. 日本の薬学部を卒業
  2. 日本で資金を貯めつつ英語力をアップする(2−3年)
  3. IELTS/ TOEFLで6.5-7.0をクリアする
  4. 2年制のカレッジに通う (この間にDE, EE, MCQを終える)
    この間に薬局アルバイトをして生活費だけ稼ぐ
  5. ブリッジングプログラムに行く(任意)
  6. OSCEに合格して薬剤師登録

かかる費用の概算:  計 310-470万
・フライト代(1回):10万
・カレッジ費用: 250-300万
・カナダ薬剤師試験代(IELTS, DE, EE, MCQ, OSCE, JE): 50-60万
・ブリッジングコース(任意) : 100万

このプランは2年制のカレッジに行くことを前提にしているプランです。それはワーホリの代わりとなるPost Graduation Visaをカレッジ卒業によって手に入れることが目的です。まずはカレッジに入るために、資金を貯めること、英語力を上げることが必須です。したがって、まずは今の職場の見直しが必ず必要になります。

coming soon

このモデルプランのメリットは、何より初期投資がほぼゼロという点です。
2年制カレッジに通うまでは、日本にいながら、資金を貯めて英語学習に時間をあてます。かかる費用は、英語参考書や英語試験の費用だけです。たとえ途中で挫折しても、貯めた資金は無駄にならないし、英語力は一生ものの財産になるので、まさに今日からでもスタートできる方法です。

そしてカレッジに入ることができたら、学校と薬剤師試験を両立していきましょう。在学中に、DE/EEを終わらせておくといいでしょう。カレッジを卒業した後にポスグラビザを申請して、インターンやCP3に進みましょう。

ここに生活費は含まれていませんが、カレッジにいる間はパートタイムで働くことでカバーできると思います。

メリット:ビザの面では確実性が高い。ゆっくり時間をかけてプロセスを進めることができる。英語力の向上やコネクション作りにも時間を割くことができる。20代後半を過ぎて挑戦する場合やワーホリが使えない方でもOK.

デメリット: 余計に時間とお金がかかってしまうこと。初期投資額として最低300万は必要である。初期投資額が大きいため、カレッジ卒後に離脱した場合やカナダでの薬剤師が合わなかった場合のリスクが大きい。

それ以外のプラン

上のモデルプランほどオススメしていませんが、参考までにご紹介だけはしておきます。

最安かつ最速で薬剤師になるプラン 

1) 日本の薬学部を卒業する (できれば在学中に短期留学しておきたい) 
2) 日本で2-3年勤務し、貯金しておく
3) 日本にいる間に、英語試験とDE試験に合格しておく。
4) EE試験の合格
5) MCQの合格
6) ブリッジングコースへの参加+インターンシップ
7) OSCEの合格 
8) ワーホリを使って雇用につなげる

かかる費用の概算:  計270万+生活費
・生活費:  カナダ6)の間の6か月間+日本生活費 (人による): 80万+α
・フライト代(3-4回):30-40万
・カナダ薬剤師試験代(IELTS, DE, EE, MCQ, OSCE, JE): 50万
・CP3コース 100万

このプランは、私が実際に実行したプランから必須のコース以外を削除し、できる限り日本でプロセスを進めていくというプランです。

このモデルプランのメリットは、最小コストでいけるということです。まずは薬学部を卒業し、少しずつ貯金をしていってください。一番大きな出費であるCP3コースでは100万円ほどかかりますので、それに向けて貯めていってください。英語試験とDEは日本でも受けられるので、できる限り日本でプロセスを終わらせておけるとベターでしょう。MCQはブリッジングコース(CP3)前に終わらせておいた方が授業もより理解できます。一方でOSCEは、CP3やインターンを終えた直後に受けるのは良いアイデアだと思います。なぜなら、これらの経験を通して、英語力やカウンセリングの力がかなり上がっているからです。

メリット: コストを抑えられる。短期間で薬剤師になることが可能。

デメリット:時間制限がある。ワーホリが使えることが前提。ワーホリまでの年齢制限があるため、プロセスのスピードが重要になってくる。成功させるポイントは、最初にワーホリの期限を明らかにし、いつCP3コースとインターンをするか、いつまでにOSCEとMCQを合格するかの目標を立てておくことが重要。またカナダの滞在時間が短いので、英語力の向上や現地でのコネクション作りに苦労する可能性がある。独学力がない人だと厳しいかもしれない。

バランスプラン

1) 日本の薬学部を卒業して、貯金する
2) 語学学校に行き、PAコースに入る準備をする
3) 薬学系の短期カレッジ(PAコース)に行き、自分の薬剤師適性を確認する
4) EE試験/ MCQの合格
6) ブリッジングコースへの参加+インターンシップ
7) OSCEの合格 
8) 薬剤師として登録

このプランは、私が実際に実行したプランにかなり近いものです。
ポイントは、薬剤師になる前に薬学系の短期カレッジ(PAコース)に行く、ということです。

カナダと日本は言語や文化の違いだけでなく、その責任も大きく異なるものです。その薬剤師の試験、働き方は日本のものとはかなり異なるため、あらかじめ自分にカナダの薬剤師がフィットするかどうかを早い段階で見極めておくことは重要だと思います。
私の場合、PAコースに行ったからこそ、カナダ薬剤師の働き方を理解し、最後までやり抜く決断ができました。

メリット: 薬剤師適性を見極められる、カナダ薬剤師を目指す上での基礎力(医療英語、薬学英語)などを身につけられる。

デメリット: 余分なコストや時間がかかる。短期間コースのため、ビザが短い。ワークビザの確保を自分でする必要がある。

実際に将来プランを立ててみよう!

オススメは、推奨プランを元にアレンジしていく方法です。
今の自分の英語力や貯金額、ブリッジングプログラムの参加有無を元に簡単でいいので、将来プランを考えてみてください。

とはいえ、カナダ薬剤師への挑戦は予想通りに進むことはないので、ざっくりでいいです。10分とか15分くらいで作れるものでOKです。

例えば、「まずは2−3年かけて資金を貯めよう。同時に英語試験を受けてカレッジを目指そうかな。その上で薬剤師試験もチャンスがあれば受けたい。」くらいでもプランをたてておくと、自分の大きな方向性を決めると最初の一歩が踏み出しやすいと思います。

まとめ

今回のまとめです。

まとめ
  • 将来プランは、「薬剤師免許の取得」「ワークパーミットの取得」の2つを考えて練る
  • 推奨プランは、2年制カレッジ入学を視野にいれたプランで、「4年」と「310-470万円」程度かかる
  • 推奨プランを元に、自分の状況にあわせた将来プランを立てる

いかがだったでしょうか。
この記事を読んでもらったことで、多少でもイメージがついたら良いなと思います。それでは。

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