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【完全解説】薬剤師に留学はできるの?留学するメリットや帰国後のキャリアについて解説

ペンタ
  • 薬剤師になってから留学ってできるの?
  • 薬剤師が留学するメリットやその後の進路は?
  • 薬剤師のおすすめの留学プランは?

という疑問をもつ薬剤師の悩みを解決できる記事になっています。

実際に、私自身も留学を経験した上でメリットを実感しているし、留学経験から様々なキャリアにつなげることができました。

この記事では、薬剤師が留学するメリットや留学後の具体的な進路、 おすすめの留学方法など、薬剤師が留学を成功させるための具体的な方法について解説します。

この記事を読み終えることで、「薬剤師も留学に挑戦できるんだ!」と理解してもらえたら光栄です。

記事内PRあり

本記事の信頼性

  • 薬剤師歴10年
  • 英語力ゼロからカナダ薬剤師へ
  • 語学留学2回、薬局留学1回を経験

シンペイ

最初に結論です。

まとめ

  • 薬剤師は安定した職であり、留学は可能
  • 薬剤師が留学するメリットは、キャリアアップ、海外の薬剤師との交流、多種多様な人脈づくり、などがある
  • 薬剤師の留学後の進路は、国際機関、医療翻訳、海外の薬剤師などがある
  • 薬剤師の留学のおすすめは、語学留学、医療英語留学、薬学留学の3つ
  • 留学の準備の進め方は、留学コンサルタントと相談をしながら、計画して学校の申し込みをしていく

それでは、早速みていきましょう。

そもそも薬剤師が留学してもいいの?

ペンタ

薬剤師が留学してもいいの?

仕事をやめて留学に行くのは不安だな....

シンペイ

僕も4年間働いた薬剤師をやめるときは不安だったよ。

でも行ってみると何とかなるし、それ以上のメリットを受けられたよ!

結論、薬剤師が留学にいくことは十分可能です。

なぜなら、薬剤師という国家資格があるため、転職も簡単にできるし、路頭に迷うことはないからです。

実際、ファルマスタッフの公式ホームページを参照すると、現時点で46029件の求人があります。(2023年5月7日調べ)

薬剤師の数は徐々に増えてはいますが、すぐに薬剤師の仕事がなくなることは考えにくいです。

また、留学から戻ってきて日本で就職活動をしたときも、留学をマイナスに取られることはありませんでした。むしろ、留学で得た体験やその行動力を評価してくれる人事や経営者の方が多かったです。

 

薬剤師が留学するメリット5選

薬剤師が留学することのメリットを5つ紹介します。

1. 一生ものの経験ができる

留学は、人生を変えてしまうほど大きな経験です。

なぜなら、留学は、新しい文化や習慣、言語、人々との出会いなど「新しいことの連続」だからです。これらを1つずつ乗り越えることで、自己成長や自信の向上につながります。

シンペイ

僕は留学で新しいことに挑戦することが簡単にできるようになったよ!

小さな成功の積み重ねで自信がついたんだ。

2. キャリアアップにつながる

海外での就職やビジネスチャンスなどキャリアップにつながります。

まず、留学後は英語のハードルが下がるため、英語での仕事や国際関係の仕事により積極的に応募できるようになります。日本人の多くは英語を苦手にしているので、大きなアドバンテージになります。

また、色々な背景をもつ人と人脈が広がるのも大きいです。高いモチベーションを持っている人、グローバル志向や英語学習意識の高い人たちとつながった結果として、実際の仕事に発展します。

シンペイ

僕の場合、フィリピン人の友人ができたことで、カナダで薬剤師になる道を教えてもらったよ。国連を目指す友達とも知り合えたので、後々に国連のパートナーとして働くことができたよ。

3. 海外の薬剤師の働き方を経験できる

海外の薬剤師の働き方や医療制度を知ることができます。

留学内容によっては、薬局インターンで薬剤師の仕事を直接体感することが可能だからです。

例えば、薬局留学であれば、薬剤師をサポートするテクニシャンとしてインターン経験が積めます。その場で薬剤師に直接質問すれば、薬剤師の業務内容、保険制度や働き方、やりがいなどについて教えてもらえます。

シンペイ

はじめてカナダに留学したときに、薬剤師には処方権やワクチン接種があって、すごいと感じました。

 

4. 物事を客観的に見ることができる

留学は、物事を客観的に見る力を養います。

なぜなら、日本と異なる海外の生活を送ることで、日本以外の価値基準ができるからです。

例えば、カナダでは処方せんに記載された薬の内容を自由に選べますが、これは、カナダが患者中心の医療を提供しているからです。

こういった事実を知ると、「日本の医療ってもっと改善できるのでは?」といった気づきを得られますね。

シンペイ

日本の生活が僕のすべての基準だったけど、海外と比較できたことで、物事を多角的に見ることができるようになりました。

5. 多種多様な文化や背景を持つ人と関われる

5つ目のメリットとして、多種多様な文化や背景を持つ人と関われることがあります。

色々な国の薬剤師の働き方や、食べ物の違いや、時間やコミュニケーションの違いなど、自分が知っていた世界が狭いことに気づかされます。

例えば、イスラム教の人には断食の習慣があり、食事を取らない時間があります。イスラム教の人の糖尿病指導では、インスリンをこれまで通りに打つと低血糖になるので、特別な服薬指導が必要です。

また、カナダでは主体性が常に重要とされる社会です。薬学部の実習でも、上司の指示を待たずに、主体的に服薬指導をすることが大事です。(日本だと勝手にやるなと怒られる..)

シンペイ

自分の世界観が広がり、柔軟性や多様性を身につけることができます。

留学後の薬剤師の進路を実例で紹介!!

ここからは、留学を経験した薬剤師がその後に進んだ実際の進路について紹介します。

自身か知り合いの薬剤師が実際に進んだキャリアのみに厳選して書きたいと思います。

例1: 国際機関で働く

国際機関で働くという道です。

シンペイ

国連の西太平洋支部から仕事を外注してもらうことができました。

仕事内容は、加盟国の抗生剤の使用量を集計したり、データの妥当性を確認する仕事です。

日本にいながら完全リモートで勤務可能で、薬剤師経験と英語力があれば申し込みが可能な仕事でした。

きっかけは、留学後に「英語」や「海外」にアンテナを常に張っていたので、国連を目指す薬剤師と知り合いになれたことです。

国連 = エリートがなるべき仕事、と思いがちですが、ちょっとした留学経験を糧に仕事を受けるチャンスは大いにあります。

特に日本の薬剤師で留学経験がある人は稀であるため、留学だけで希少人材になれますよー。

 

例2: フリーランス翻訳家として働く

フリーランスの翻訳家として働くことは可能です。

シンペイ

Transperfectという会社から受けた外部委託です。

Linked inに登録していたら、ジョブオファーを受けることができました。

仕事内容は医療翻訳であり、日本語を英語にしたり、英語を日本語にするというお仕事でした。

自分の受けたい仕事内容をフレキシブルに決められたり、間や場所に縛られない働き方ができるのが良いと思いました。

ちなみに僕は医療翻訳について全くの素人にも関わらず仕事を受注することができたので、少し英語ができる人なら応募してみてもいいと思います。

 

例3: 大学院に進学

大学院に進学する、も進路として結構多いと思います。

その理由は、「留学をしたことで自分の興味や学びたい分野に気づいた」というものです。

例えば、最近の薬剤師で人気な学部として、公衆衛生学の修士であるMPHを取得する大学院です。日本であれば東京大学や京都大学、海外ならジョンスホプキンス大学やハーバード大学が有名です。

シンペイ

僕もMPHを学べる学部に行きたいと思っています!

留学経験がある人なら、海外の大学院を目指すのがいいと思います。今ならオンラインでの受講が可能な大学院もたくさんありますよ。

例4: 英語力をいかして薬局薬剤師

薬局の薬剤師でも英語力を活かすことができます。

なぜなら、最近は多くの観光客や移民が日本に来ており、英語での患者対応が増えているからです。

実際に、保険のない外国人旅行者のために市販薬を選んだり、移民の外国人に処方せんの服薬指導を英語でしていました。多くの薬剤師は英語を苦手としているので、留学経験があれば患者さんの信頼を圧倒的に集められます。

シンペイ

日本で色々な薬局で働いたけど、外国人への対応をお願いされることが多かったよ。そのくらい英語ができる薬剤師は貴重なんだ。

英語力をいかして薬剤師として働くなら、都市部か空港近く、あるいは観光地のドラッグストアがおすすめです。旅行に来ている人は市販薬で何とかしたいと思っているので、調剤薬局よりはドラッグストアがいいと思います。コロナ後で旅行が解禁された今はチャンスだと思うので、興味ある方はファルマスタッフで実際の求人を見てみてください♪

例5: 海外で薬剤師になる

海外で薬剤師になる、という道もあります。

「留学で行った国の薬学に興味をもった」「留学で培った英語力を活かしたい」などを理由に、海外の薬剤師を目指す方もいます。

海外で薬剤師になるためには、現地でインターンシップや国家試験を受ける必要があります。

詳細はこちらの記事を参照してください。

【完全解説】海外で薬剤師として働くために知るべきこと〜カナダ薬剤師が解説〜

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薬剤師におすすめの留学方法3選

ここからは薬剤師におすすめの留学方法を3つ紹介します。

語学留学

まずは語学留学です。

語学留学の目的は、英語力を伸ばすことです。

語学留学に来る人は、観光しながら英語を学ぶ留学生もいれば、カレッジや大学を目指して英語を一生懸命勉強している留学生もいます。

語学学校のメリットは、英語力をチェックをした上でクラス分けがされるので、自分の英語力にちょうどいいレベルの授業を受けられることです。

なので、基本的に授業についていけないってことはないと思います。仮に高いレベルに入ってしまっても下のクラスに変えてもらうこともできます。

一方、語学学校のデメリットは、薬学など専門的なことが学べない、ということです。

もし専門も少し勉強したいという方は、語学留学 3か月 +医療英語留学 6か月 のように組み合わせて受講することで、英語力を向上させつつ、専門分野の語学力を磨くことができます。

語学留学の費用はピンキリですが、1か月単位から留学可能で、10-15万円〜のコースもありますので、留学コンサルタントに一度相談してみましょう♪

 

こんな人におすすめ

  • はじめて留学に行く人
  • 英語力を中心に伸ばしたい人
  • カレッジや大学、専門分野での留学を目指している人

医療英語留学

医療英語は、医療分野に特化した英語力を伸ばすプログラムです。

医療現場で必要となる医療用語や薬理用語の習得、リスニングや英会話力の向上を目指すプログラムであり、医療者にとても人気なコースの一つです。

例えば、循環器系や呼吸系と分野ごとに異なる症状について学んだり、患者のケーススタディやロールプレイを体験したりすることで、医療現場で実際に使えるような英語の習得を目指します。

メリットとしては、現役の医療従事者の方も実際に参加されているコースであるため、他の医療従事者との交流をもつこともできます。また、プログラムの費用も15万円〜となっており、比較的お手頃なこともポイントです。

デメリットは、薬学専門の留学ではないため、がっつり勉強したい人にとっては少し物足りないかもしれません。そういう方は、次に説明する薬局留学をおすすめします。

シンペイ

申し込みに必要な英語レベルは、日常会話レベル (語学学校を3-4か月終了程度)としており、とても参加しやすいプログラムだよ。

こんな人におすすめ

  • 医療現場で実際に使える英語を学びたい方に
  • 医師、薬剤師、看護師として働いている方に
  • 医療英語や医療通訳を学びたい方に

薬局留学(ファーマシーアシスタントコース)

次に薬局留学です。ファーマシーアシスタント(PA)コースとも呼びます。

つまり、薬剤師のサポートをするテクニシャンとして働くためのカレッジのプログラムです。カレッジ= 短大、なので、がっつり長期的に勉強したい方向けです。ただ卒業できれば、英語力は間違いなく上がるし、薬剤師としてワンランク上がります

北米では、テクニシャンが処方せんの入力、調剤、鑑査、一包化、薬の受け渡し、電話応対など、ほとんど全ての業務を担当しており、授業やインターンなどを通して、知識と技術を習得していきます。

授業の科目は、数学、薬理学、病態学、医療制度、無菌混合、薬局ラボなどがあり、日本と比較しながら学んでいくのは非常に興味深いです。

薬局留学のメリットは、色々な背景をもつ人と薬学を学べるということです。私が受講したときは、フィリピン人やインド人の薬剤師もクラスメイトとして一緒に受講し、世界じゅうの薬学についても理解を深められました。また、プログラムによっては、スタディービザやワークビザが出るため、そこから永住権、海外の薬剤師に挑戦、という方向に持っていくこともできます。

デメリットは、お金と時間がかかる、ことです。お金は100-200万/年の学費がかかりますし、時間も6か月-2年ほどの長期のプログラムがほとんどです。

シンペイ

薬局留学の授業はすこしハードだけど、日本で薬学を勉強した人ならついていけると思うよ。

入学時に英語試験(IELTS5.5-6.0など)のスコアが必要になります。

こんな人におすすめ

  • 英語で薬学をがっつり勉強したい方に
  • 海外での移民を目指している方に
  • 海外で薬剤師を目指している方に

薬剤師が留学するまでのステップ

ここからは、薬剤師が留学するまでのステップをまとめます。

1. 留学相談をはじめる

まず始めに、コンサルタントと留学相談を始めましょう!

留学の種類によって、学校にかかる費用や期間、入学タイミングが異なるため、なるべく早く相談を開始することをおすすめします。

コンサルタントを使うメリットは、時間短縮と最新情報の取得です。自力で学校を1から探すのは時間がかかるし、現地の最新情報や客観的な意見をもらいながら、コンサルタントと一緒に相談しながら決めるのが良いです。

2. 計画をたてる

次に、留学の目的を決めましょう。

目的を決めることで、自分の行きたい留学の種類がわかります。

例えば、「英語の基礎力をあげたい」→語学留学、「医療現場で役立つ英語を学びたい」→医療英語留学、といった形です。

そして、留学する学校、期間や予算を決めていきましょう。自分の行きたい留学に近い形で実現できるように、計画をつめていきましょう。

3. 学校の申し込みを行う

留学する学校や期間が決まれば、学校の申し込みを行います。

予算が必要であれば、高単価の派遣の薬剤師として短期的に稼いできてもいいと思います。

入学に英語試験があれば、その準備もしましょう。

4. 航空券や滞在先の場所を予約する

入学がきまれば、航空券や滞在先の場所を決めます。

現地の公共交通機関や滞在先の環境についても調べておきましょう。

学校までバスや地下鉄などで通える範囲か、滞在先はルームシェアかホームステイにするかなども決めていきます。北米の人気都市では家賃が上がっており、一人暮らしよりもルームシェアの方が人気があります。

航空券の値段は、出発するシーズンや曜日によってかなり違ってくるので、学校のスタート日が決まったら早めに取っておいた方がいいでしょう。

5.荷物を準備していざ出発

最後に、荷物をパッキングしていざ出発です。

荷物は一覧リストを作成しておくと管理が楽です。

荷物はできるだけ減らし、必要なものは現地で調達した方がいいと思います。

また、高価なものは盗難や紛失のリスクを考え、持っていかない方が良いでしょう。

まとめ

この記事では、薬剤師には留学が可能か、そのメリットや留学後の進路、薬剤師のおすすめの留学プランについて書いてきました。

まとめ

  • 薬剤師は安定した職であり、留学は可能
  • 薬剤師が留学するメリットは、キャリアアップ、海外の薬剤師との交流、多種多様な人脈づくり、などがある
  • 薬剤師の留学後の進路は、国際機関、医療翻訳、海外の薬剤師などがある
  • 薬剤師の留学のおすすめは、語学留学、医療英語留学、薬学留学の3つ
  • 留学の準備の進め方は、留学コンサルタントと相談をしながら計画、学校の申し込みをしていく

「留学に行って良かった!」と今の私は思っていますが、当時は行くかどうかに何年も迷ったのを覚えています。

留学は、誰にとっても大きな決断の一つだと思いますので、もしご相談が必要な場合は、以下のお申し込みフォームよりお申し込みください。

ご相談内容に応じて、私(Shimpei)あるいは留学コンサルタントよりご連絡させていただきます。

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