カナダで学んだことを日本に生かす くすり x 英語 (薬局英語)

薬剤師が「最低限」必要な英語力を「最短」で身につけるために 2  戦略編

 

こんにちは。

日本も本格的に梅雨に入ってきました。雨ばかりだと、中々外に出るのが億劫になりますね・・。

 

さて、前回の記事にて、Speakingが一番最初に薬剤師が身につけるべき英語の能力だと書きました。

(詳細は, 日本の薬剤師に最低限必要な英語力とは何か?を参照。)

 

薬剤師として仕事をしながら、英語力(Speaking)を身につけるのは非常に大変です。根気くらべなのは言うまでもありません。

私自身、英会話教室に通ったり、1か月間のアメリカ留学をしましたが、中々英語は身につきませんでした。

 

 

 

 

色々思考錯誤した結果、今では服薬指導を英語である程度はできるようになり、カナダで薬剤師免許を取得するまでになりましたが、それまでにかけた時間や費用はかさんでしまいました。

 

そこで、今回の話は、「最低限の英語 (Speaking)を最短で身につける方法」です。

 

「最低限」の英語 (Speaking)を「最短」で身につける方法

 

簡単に申しますと、勉強する英語を最低限必要なことだけに絞ることで、学ぶボリュームを減らし、最速で達成しようということです。

 

日本にいながらにして最低限の英語力を身につけたいと思っている薬学生、薬剤師の方に向けて書きたいと思っています。

 

「最低限」の英語とは?

①薬剤師のための薬局英語 (Speaking)に特化する

日常会話だとか、旅行やニュースのための英語は除外します。あくまで、薬剤師が薬局で仕事をする上で必要になってくる英語のみ学習します。これは、私達が今、一番必要としている英語力を身につけることが一番重要だと私は考えているからです。

 

また、まず、4つのSkill (Reading, Listening, Writing, Speaking)のうち、Speakingにのみ絞ります。(その理由については別記事参照)

 

② Speakingのうち、「内服薬」の服薬指導をするために必要な薬局英語に特化する

薬剤師が薬局において必要なSpeakingでも、「英語での電話応対」や「情報収集」、「服薬指導」などがありますが、まず「服薬指導」のみを扱います。薬剤師しかできず、かつ頻度が高く、重要なものは、やはり「服薬指導」ではないでしょうか。

 

また、服薬指導の多くは内服です。外用剤や注射剤もありますが、内服薬の說明ができることが、一番頻度が高く汎用性が高いと思われ、時間対効果が良い方法だと言えます。外用剤や注射剤はそこまで頻度が高くないものの、商品によって使い方が細かいところが違ってきており、学ぶ時間に見合った勉強効果が内服薬よりも低そうです。もちろん、最終的にはこれらもできることが望ましいのですが、内服薬さえできれば、かなりの部分の薬局での服薬指導がカバーできるのではないかと私は考えています。

 

③必要な英語表現のみに絞ることで、覚える量を減らす

言い回しをいくつも覚えるのは大変なので、まずは一つだけ覚えます。例えば、薬の副作用について說明する時、「The side effects are」「You may experience some side effects such as…」など色々な表現があります。これらを一つだけに絞ります

そんな1つだけの表現で良いのかと心配に思われるかもしれませんが、全く問題ないと思います。実際に、私も1つか2つくらいの表現でカナダの薬剤師試験(OSCE)に合格しました。確かに色々な英語表現ができることは会話のバリエーションを増やし、英語能力の高さを示すことができるかもしれません。。

しかし、あくまで服薬指導の目的は、「患者に正しい薬の情報を伝えること」であるはずです。たった1つの表現であっても、それが正しく患者に伝われば十分だと私は考えています。

 

どうして「最短」で英語が身につくのか?

①学習すべき英語の量が最低限だから

当たり前ですが、学習すべき英語の量が少なければ、それらが身につくのも速いです。

 

②これまでの固定観念を捨て、服薬指導を学ぶことから入る

これを聞くと、

「いやいや無理だろう、いきなり専門的な話なんて絶対に無理。また日常会話もできないんだから。」

って思う方もいるかもしれません。

私もずっとそう思っていました。

しかし、これは間違いであることに気づきました。

薬剤師が英語を話せるようになるためには、従来のステップを踏まなくてはいけないと思いこんでいました。

従来のステップとは、

1.英会話学校にいく→

2.日常会話ができるようになる→

3.少し複雑な会話ができるようになる→

4.ディスカッションができるようになる→

5.専門的な英語ができるようになる(薬局での英語ができるようになる)

を、1から順番に進んでいくことです。

 

まずは日常会話ぐらいできるようになりたいと思い、私自身、学生時代から英会話スクールに通いました。

また、1か月の海外留学にも行きました。でもあまり話せるようになりませんでした。

 

今まだ高校生だとか大学生ならば、上のステップを1から順に踏んでいけば、いずれできるようになるでしょう。しかし、現在、日本で勤務している多くの薬剤師や在学中の薬学生にとっては、それは現実問題、厳しいのではないでしょうか。

一日勉強できる時間として当てられるのは、せいぜい1-2時間くらい。しかも英語を話すことにそこまで緊急性はない、となると、なかなか上記のステップで身につけるのは難しそうです。

 

そこで私が考えたのが、いきなり「服薬指導」から始めるステップです。

これは、私たちはすでに日本語で専門的な内容(薬学)を習っているので、その知識を利用して、薬局英語を身につけます。

これは薬学という一つの専門性を修めているからこそできる薬剤師だけの英語を学ぶ方法です。

さて、今回の目標を「内服薬の服薬指導を英語でできる」ことに絞ったことで、薬剤師が英語を勉強する範囲を最低限にできました。

英語は私達日本人からしますと、第二言語ですし、日本語のように上手く話せません。当たり前です。いきなり日本語と同じレベルで服薬指導ができるか、の問いに対して、もちろんですが、答えはNoです。

 

しかし、逆に、今回のこの根幹だけをしっかり押させれば、今後ここから発展させることができます。そういった意味で、「最低限の英語」を学ぶということは非常に価値があると思います。

 

次回の記事では、その方法について具体的に示していこうと思っています。

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