カナダ薬剤師情報

ワークビザがないとカナダで薬剤師になれないという事実

なぜワークビザがないとカナダで薬剤師になれないのか?

海外に長期的に初めて滞在する場合、一番最初にぶつかる問題としてビザの取得があります。

日本で生まれ育ち、日本国籍があるとその有難味を忘れてしまいがちになりますが、外国人が他の国に長期的に滞在する場合、滞在許可証であるビザが必ず必要になります。つまり、ビザがないと不法滞在として母国に強制送還となるのです。

ビザの種類は主に、Visitor Permit, Study Permit, Work Permitの3種類があり、それぞれ、

Visitror Permit=ただ滞在するためのビザ, 旅行のときはこのビザ

Study Permit= 学校に通うためのビザ

Work Permit= 就労するためのビザ

と目的により分かれています。

そして、その中でも一番下のWork Permitが最後のプロセス(薬剤師として登録するためのプロセス)として必要になります。

つまり、薬剤師の試験を全て合格した時にワークパーミットがないと薬剤師免許の登録ができないのです。

なぜか?

それは、国がそう決めてしまったからです。

私の友人たちも、このワークパーミットに非常に苦労していました。
全ての必要とされる試験に合格したものの、ワークパーミットがないという理由だけで薬剤師の登録ができず、働けないでいる人がいました。
中には、あきらめて自分の国に帰る方も多くいました。

カナダでの薬剤師免許の登録要件について

下記が薬剤師の登録に必要な条件です。

Updated letter of standing: 日本の薬剤師免許の状態について示すレターです。

厚生労働省に連絡すれば簡単に送ってくれます。

 

② Updated notarized copy of evidence of your authorization to work in Canada: カナダで働けるワークパーミットのコピーを送ってください、と書いてあります。

 

この② Updated notarized copy of evidence of your authorization to work in Canadaにどういったものが当たるのか、どのように提出すれば良いのかわからなかったので、実際にBC Collegeに問い合わせてみました。

下記に実際に、私がメールで実際に行ったBC collegeとのやり取りです。

 

I am writing this email to confirm the way of full pharmacist registration.
When applying the registration, a work permit seems to be necessary.

However, I do not have any available work permits currently. Is that requirement for any people who would like to do full pharmacist registration?
Or, can you suggest any other options to be registered?

 

Hi Shimpei,

When you apply for Full Pharmacist registration, you must have evidence of authorization to work in Canada. This can be in the form of a Canadian citizenship certificate, permanent residence card, work permit, or even a study permit so long as the study permit allows you to work in some capacity.

There are no other options beyond those listed above.

Please contact us if you have further questions.

Regards, (以下略)

つまり、カナダの市民権、永住権、ワークパーミット、もしくは働くことが許可されているスタディーパーミットのいずれかを出すことが必要。例外は認めないという回答でした。

 

カナダの薬剤師免許を目指す課程で他にもビザが必要になるケースはありますが、学校がビザを発行してくれたりと他にも方法がありました。

しかし、最後の薬剤師として登録するためのプロセスでは、他の機関がビザを準備してくれないため、ワークパーミットを自分で準備しないといけません。

 

 

このワークパーミットの壁を乗り越える方法について

私はここをワーキングホリデービザで乗り越えましたが、使えないという方もいると思います。
何人かの私の友人から乗り越えた方法を聞きましたので、それをシェア致します。
1) ワーキングホリデービザを最後まで使わずに残しておく
実際に私が実施した方法です。ワーキングホリデーの申請は、空き枠があれば、31歳になる直前まで申請可能であり、そこから1年以内に使うことが可能です。ただしこの方法は、使える回数が一生に1回だけという点と年齢制限があるという2つの欠点があります。私自身、31歳になる直前に申し込みました。
2) QEやJEなど全ての試験に合格した状態で、UBCのCP3とインターンシップを終了する。(BCで可)
UBCのBridging CourseはCP3コースとインターンシップ(SPT)の2つのプログラムを含んでおり、計6か月程度です。このコースに申し込むと、UBCがCoop-Work Permitビザを出してくれます。通常、これら2つのプログラムの終了日+α (数か月程度)の期間のビザを出してくれますが、こればかりははっきり言って予想が全くつきません。
したがって、インターンシップ(SPT)を終わった時点でワークビザの期限が残っていてかつ薬剤師に登録するための全ての要件を全て満たしていれば、full pharmacist registrationにapplyすることができます。
しかし、私の友人からの話ですが、ワークビザの期限がギリギリしかないということで、Collegeと色々と揉めたそうです。最終的に認めてもらえたようですが、この方法は不確かであるということは間違いありませんし、あまりお勧めできません。
3) 田舎など働き手のいない薬局での求人を探し、ワークビザを出してもらう
働く場所に融通が利くのであれば、これは一つの選択肢だと思います。
4) Post-Graduation Visaの取得のためにカレッジに通う

カナダの一部の大学やカレッジでは、卒業後に最長2年のワークビザを出してもらうことができます。私の友人の中には、この2年間のビザを使用し、薬剤師としての免許登録、その後の就職活動に役立てている人がいました。

 

5) 先に永住権を取ってしまう
私自身が今から再度スタートするのであれば、この道を選ぼうと思っています。
薬剤師はスキルドワーカーであり、移民申請に有利です。
また、最近Express Entryが導入されたことで点数さえ取れればすぐに永住権がとれます。

まとめ

ワークビザが最終的に必要であるという事実を変えることはできませんが、ビザを取得するための方法は幾つかあり、前々から準備しておけば、困ることはないということがわかりました。
私自身も最初からこのことを知っていれば良かったと思ったので、今回ここにシェアしました。
これから薬剤師を目指す人はぜひ参考にしてください。

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