Document Evaluationとは、日本語でいえば書類審査です(以下DEとします。)
つまり、カナダの薬剤師に挑戦する上で、日本の薬学部で同等な教育を受けたかどうかを証明することです。
私の知っている限りで、このDE試験で受け付けてもらえなかった例はないので、書類の不備さえなければ問題ないハズです。
その概要は公式ホームページPEBCのサイトに全て書いてあります。詳細は公式ホームページを見てみましょう。
提出すべき書類の概要
提出すべき書類は、
1. University degree certificate: 卒業証書
2. Transcript: 成績証明書
3. Licensing Statement: 薬剤師としての登録証明
4. Passport など身分証明書
5. シラバス
があります。
1のUniversity degree certificate: 卒業証書と、2の Transcript: 成績証明書については、卒業大学で発行してもらえます。ただし、英文で出す必要があるので確認が必要です。
3. Licensing Statement: 薬剤師としての登録証明は、厚生労働省に連絡すれば無料で発行してもらえます。
はじめて厚労省に電話しました!
少し緊張したけど、すごく丁寧な対応だったよ!
4. Passport など身分証明書ですが、永住権の無い方ならPassportになると思います。
5. シラバス これはPEBCから提出を求められた場合のみ、提出します。
DEで知っておかないといけないのは、認証(certifiation)という作業です。下記で説明します。
認証(Certify)について
私が最初にDEを受けたとき、「Certifyって何ぞや?」となり、途方にくれたのを覚えています。
Certifyとは、日本語で「認証」という意味です。つまり、その文書が本当に正しい内容なのか、偽りの無い内容なのか、それを第3者に正式に認証してもらう必要があるのです。
その認証をしてくれる人としてあげられているのが、Notary Public、Commissioner for Oaths、Lawyer、Embassy/Consulate Officialのいずれかです。
カナダに滞在していれば、Notary Publicはどこにでもあり、認証の場所には困りません。50-60ドルもすればやってくれると思います。
しかし、これを日本で実施しようとすると非常に苦労します。私のときは、Embassy/Consulate、すなわちカナダ領事館やカナダ大使館でやってもらいました。しかし現在はそこが実施していないという話も聞いたので、一度確認した方がいいと思います。
別の選択肢としては、公証役場の公証人に認証してもらう方法です。日本語でGoogleで「公証人 東京」などと調べれば何か所も出てくると思います。日本の公証人で行う場合、数万円かかる場合があります。
シラバスについて
日本で卒業した薬学部のシラバスを提出することです。
ただし、過去に誰かが同じ大学のシラバスを提出している場合、提出は不要です。
したがって、これまで自身の卒業大学から誰もカナダのPEBC試験を受けた事がない場合のみ、シラバスを提出する必要があります。
私の場合、すでに卒業生のどなたかがシラバスを提出してくれていたようであり、提出せずに済みました。
仮にシラバス提出が必要な場合、問題となるのは、シラバスを英語で提出しなくてはいけないことです。どの大学も日本で書かれたシラバスは保持しているはずですが、英語のシラバスはほとんどないと思います。
したがって、シラバス提出を求められた場合、翻訳が必要になります。
1) 翻訳会社に依頼する
2) 自力で翻訳する
の2パターンとなると思います。
自力で翻訳される方もいるのですが、その困難さと時間がかかることから翻訳会社に依頼される方が多いようです。
翻訳会社に依頼する場合について、次でもう少し詳しく書きます。
翻訳について
翻訳のプロセスで知っておくべきことは、1) 料金 2) 印鑑の扱い、です。
1) 料金 ですが、何十枚となると非常にお金がかかります。ざっくりした相場では、1ページ0.2ドル/ word という感じです。シラバスは100枚を越えることを考えると、50万〜100万くらいかかります。非常に高価なので、時間をかけて自力で翻訳する人もいます。私の友人は早い段階でPEBCに相談し、100科目から30科目に提出する内容を減らしてもらった方もいます。したがって、翻訳を開始する前にPEBCに相談することをおすすめします。
まずは翻訳会社で見積もりを取ってもらうことをオススメいたします。
いくつか見積もりを取ってもらった上で、一番自分にあう会社で依頼すればいいかなと思います。
次に、2) 印鑑についてです。
これは2つの国のカルチャーに起因します。日本は印鑑のカルチャーですが、カナダはサインのカルチャーです。したがってPEBCに書類を出すとき、「翻訳者のサインを翻訳書類の原本にする」ように求められるはずです。しかし、私が翻訳を依頼した日本の翻訳会社は、「翻訳者は原則サインしない」、というルールを設けているところでした。そこで、翻訳者の証明を別紙にホッチキスで止めて送ったのですが、PEBCはそれを認めず、翻訳書のサインを書類の原本にしてください、と再提出を求められる結果になってしまいました。そこで再び翻訳会社に相談したところ、会社の印鑑であれば原本に押すことが可能であると言われたので、その印鑑を押して提出したことで、通ったのを覚えています。
DEの注意点
カナダの対応は遅い
カナダのメールや郵便など、すべてのレスポンスは非常に遅いです。正確にいうと、日本がきっちりしすぎていて、カナダが遅く感じるというのが正しいです。
日本なら2−3日で終わることも、カナダだと1週間、ひどいと1か月ほどかかることもあります。
そしてさらにコロナのタイミングも重なり、時間が非常にかかっています。
DEのプロセスは最低数ヶ月はかかると思うので、常に早め早めに準備しましょう。
とにかくPEBCに相談する
わからないこと、不確かな事があればPEBCに相談しましょう。
PEBCの担当者は結構、早めのレスポンスを返してくれるのでありがたいです。
まとめ
最後にまとめです。
以上です。
少しでもみなさんのためになれば幸いです♪