カナダの薬剤師の強みであるMinor Ailementsとは、いったい何なのでしょうか。日本語で訳すと、「軽症」という意味、英語だと、Minor ailments are generally defined as conditions that will resolve on their own and can be reasonably self-diagnosed. (by BC-pharmacy association )です。
つまり、病院にいかなくてもいいほどの軽症の病状のことを言います。日本で、ここの分野は全く発展しておらず、未だに風邪ひいても病院に行くという流れになっていたり、重症なのに市販薬で治そうとするケースがあります。
セルフメディケーションという言葉が日本にもあるのですが、現状の日本においては、OTCをただ選ぶだけの業務になってしまっているようです。
本当にやらなくてはいけないこととしては、薬剤師が十分な聞き取りをした上で、
- OTCを勧めるか、
- Dr受診を勧める、
- または薬を使わない方法をすすめる
上記いずれかの決定ができるということです。
この線引きができるか否かが、アメリカやカナダにおいてのエントリーレベル(大学卒業時)の薬剤師に求められ、それゆえ、薬剤師がコミュニティーで信頼を勝ち取った理由の一つでもあると思います。
カナダにおいて薬剤師がカバーするべきだと思われている疾患について、下記にざっと記載します。風邪、アレルギー性鼻炎、頭痛、熱、膣感染症、口内炎、やけど、にきび、下痢や便秘などである。
このMinor Ailmentsの領域を勉強するまでにおいては、私も単純に自分がわからなければ、すぐに病院にかかってくださいと言っていました。この対応では、患者さんからの信頼も得られないですし、薬剤師としての責任も放棄していたと思います。
セルフメディケーション税制や健康サポート薬局の新設も考えると、日本でもこの領域は今後、間違いなく開拓されていくものと予想されます。
一度、根気よく勉強してみるのはどうでしょうか。