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サボることができないカナダの薬剤師卒後研修

2021/01/01
 
この記事を書いている人 - WRITER -
Shimpei
カナダの薬剤師。薬学に関する英語も得意ですが、英語試験IELTSや薬学系留学のサポートもしています。【好きなもの】家族、テニス、ブログ、読書、ハイキング 愛知県名古屋市うまれ、名古屋市そだち。現在はカナダのバンクーバーに滞在。
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薬雑誌の12月号に私の記事が掲載されました。都薬雑誌さまに公への掲載許可をいただくことができたのでシェアしたいと思います。

————以下、都薬雑誌の12月号から転載 ————-

サボることができないカナダの薬剤師卒後研修

 【はじめに】

「この研修動画をとりあえず流しておけば勉強したことになる」「オンラインだし誰も見ていないから適当で良いや」という光景を、日本の派遣先の薬局で何度も見てきました。

カナダの卒後研修もオンラインで行われておりますが、「ただこなすだけの研修」にならないような工夫がされています。その工夫とは、「強制型」で「問題解決型」であることです。では、カナダの薬剤師卒後研修について紹介いたします。

 

 

【強制される薬剤師卒後研修】

カナダの国土面積は日本の26倍ほどであり、6つのタイムゾーンに分かれています。1)  それにも関わらず人口は日本の1/4ほどしかいないため、薬剤師の集合研修を成り立たせるのは非常に難しい、という背景があります。Covid19の影響など受けずとも、薬剤師研修はオンラインで主に行われています。

この研修対象は、薬剤師として働く人が「全員」です。つまり、1年に1回ある薬剤師免許の更新の条件として、卒後研修の提出が求められています。これが、カナダの薬剤師卒後研修が「強制」と言われている所以です。この強制力の背景にある考え方は、「薬剤師はプロフェッショナルであるため、その提供するケアの質は常に高い水準でなくてはならない」という点です。給与アップや人事評価としての研修ではなく、「薬剤師として働く資質があるかどうか」という最も基本的で重要な問いに結びついているので、研修に対する強い動機づけに有効ではないかと考えます。

 

【問題解決型の研修内容】

では、研修内容はどうでしょうか?カナダの研修時間数は、年間15時間以上です。日本の研修認定制度は、更新のために必要な単位は年間5単位以上、 3年間で30単位取得です。1単位1.5時間として計算すると、時間数については同等といえます。2), 3)

カナダの研修内容がユニークな点は、「問題解決型」による提出です。問題解決型の研修では、自身が実際の仕事で感じた疑問や問題点にもとづいて、研修内容を考えていきます。そして、その疑問や問題点を解決するために、「計画」、「行動」、「反映」の3つの部分に分かれています。4)

 

わかりやすくするために、 糖尿病の患者さんからインスリンの使い方や違いについて質問を受けたとして、考えていきたいと思います。

研修システムの実例。計画、行動、反映の3つのパートに分かれている。

 

 

1つ目のステップである「計画」では、自身の到達したい目標や、それを目標に選んだ理由について書きます。

今回の糖尿病の例では、「多種多様なインスリンの薬効の違いについて理解する」という目標を立てたとしましょう。また選んだ理由として、「糖尿病の患者さんからインスリンについて質問を受け、適切な情報提供をするため」などです。

 

2つ目のステップは「行動」です。実際に学習した内容について記載します。

今回の場合、「糖尿病のガイドラインを読んだ」「製薬会社が提供するパンフレットを読んだ」など具体的な学習内容を記載します。

 

最後の3つ目のステップは「反映」です。「異なるインスリンの特徴を理解し、患者への情報提供に貢献した」「低血糖が起こらないようにモニタリングを行った」などです。

 

私自身の経験からすると、ただ単純に「糖尿病に興味があるから」という理由で学習を始めると、「それをどのように薬剤師業務に役立てるか」という視点を忘れてしまいがちでした。一方で、普段の疑問から始まる学習は、これまでの経験を振り返り、そのときの患者さんとのやり取りを思い出しながら、あの時こうすれば良かったなと考える過程がありました。この思考過程そのものが、次の実践に落としこむのにとても重要だと私は感じました。

 

私たち薬剤師はプロフェッショナルな存在ですが、人間である以上サボってしまうという側面もあります。私たち自身のことを理解することで、より効果的な研修システム作りにつながるかもしれません。

 

 

文献
1) 外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/men_o.html
2) the College of Pharmacists of BC, Professional Development and Assessment Program (PDAP)
https://www.bcpharmacists.org/professional-development-and-assessment-program-pdap

3) 日本薬剤師研修センター

http://www.jpec.or.jp/nintei/kenshunintei/howto.html

4) the College of Pharmacists of BC, eServices
https://eservices.bcpharmacists.org/web/MemberHome

 

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